絶望と絶望と絶望の後編
…………
…なんか見覚えのある天井だ。
ゆめかたでラーメン食って、それから吸い込まれるように温泉に浸かって、きがえて…そう、今俺は温泉の仮眠室で寝てたんだった。
場所はかっぱ温泉。ゆめかたのすぐ近く。良心的な価格で泊まれる(?)のでお世話になった過去がある。
しかしフリータイムの有効時間は18時まで。それ以降は翌朝までの時間帯の料金を出す必要がある。いや~~追加料金は…あほくさ。出よう。優しく応対してくれたお姉さん、ありがとう。
しかし…この決断が後に深刻な負担となって身に降りかかるとはまだ知らなかった…
さて、とりあえず海沿いで下関の唐戸市場にでも行こうかな。でも腹減ってきたということで。
よし、腹ごしらえ!
(2度目)(2杯目は300円)(実家のような安心感)(時を巻き戻す)(ココロがかえる場所)
食べ終わる頃には外はすっかり冷え込み、暗くなってました。ここで寒い季節のナイトラン(長距離の場合)のコツですけど、
ペ ー ス を 落 と せ
です。汗冷えで冗談抜きで死にます。(経験論)
あとは夜中なだけあって景色もクソもありません。車は少なくて気楽ですが、退屈極まりないのでそれに耐えうる精神力も必要です。僕はダメでした。路面の凹凸や落下物、動物の轢死体などには十分気をつけて走りましょう。ライトの推奨光量は400ルーメン以上です。街灯が充分な市街地は100~200程でもいいかな。
此度のデスライド(先にこう言っておきます)のコース。杵築でGPSが狂ってるのがわかると思うんですけど、お気になさらず。ちょっと文章が長くなるかも。
途中まではまあ余裕こいてたけど、中津で虫の息に。さむい、ねむい、だるい、さむい、さむい、ねむい、さ……………(絶望)
こころの糸がブチッと切れた。近くの駅で寝てやろうとも思ったが、何とか正気を取り戻す。走ればいいんだろ走れば!と半ばやけくそになりつつも復帰。この時点で10~20分置きに立ち止まってた記憶がある。遅い。進まない。眠い。寒い。寒すぎる。限界ライド、ここに成る。
そして、謎の写真。なんてことは無い、ごくありふれた交差点。一体なぜこんなことを…????
駅で寝ようという発想が平然と出てくるあたりに精神面の崩壊具合が伺えるだろうか。行橋あたりのトライアルで補給。相当緩く走ってるので足は大丈夫だけど、肝心のエンジンが限界まですり減ってるおかげで全く力が出ない。緩くしか走れないという表現が適切かな?
もう一体どうしろと言うのだ。全然進まないし、眠気と寒気と疲労感で混沌としてる。しかもまだ60kmくらい残ってる、嘘だろ……いや〜面白くなってきた。限界ライドとはこうでなくては。ハハハ…と思い、ついに最終兵器を使う時が来た。
その名は……シュンケル!!
ヒュンケル……?
誤り。実物はこれ。
シュークリーム+ユンケル。およそ一晩の間、馬車馬の如く溌剌とした力を授かる代わりに、効力が切れるとマジでブチッと体の電源が切れる(らしい)という諸刃の剣。
僕も使うのは初めて。まさかここまで追い込まれるとは…。絶対に温泉で夜中まで休んでいた方がよかった。己の判断力の低さを呪いながらシュンケルをその身に宿し、薄暗い町(確か0時くらいだったはず)に消えていった……。
…
……
空が、青い。
夜が明けてきたと思ったらいつの間にか下関の目の前に着いてた(???)
門司港入り口。
これ関門トンネルの自動車向け入り口だけど、徒歩(自転車)は違います。海沿いに少し進めば専用の入り口がありました。
海底トンネルだけどなぜか電波は普通に入りました。
虫の息で唐戸市場に到着。朝早かったから並ばずにさっさと寿司食って退散。
↑まぐろ、かつお、あじ×2、あら、ひらすトロ、まぐろ脳天。疲れからか「うん…うま」で終了。味は覚えてない。脳天は赤身と比べて筋繊維というか食感がもっちりしてたような。…あのさあ、高級食材やぞ?
そそくさと輪行して終了。
ぃよーーし、次はどこ行こっかなあ!!!?